瀬戸内・長船の刀剣の里で打初式 「理想の一振りを」精進誓う刀工
山陽新聞 2018.1.14更新
山陽新聞 2018.1.14更新
日本刀作りの技を今に伝える「備前おさふね刀剣の里」(瀬戸内市長船町長船)で14日、打初(うちぞめ)式があり、刀工たちが今年1年の精進を誓った。
平安後期から優れた刀匠を輩出してきた「日本刀の聖地」である備前長船の新春行事。刀工たちの信仰を集める靱負(ゆきえ)神社(同所)の神職が神事を執り行い、白装束の刀工が火床(ほど)に火入れをし、奉納された玉鋼を熱した。
この日だけは一般の来場者も玉鋼を鎚(つち)で打って平らにする古式鍛錬が体験できるとあって、大勢の観光客らが長い列を作り、真っ赤に熱された玉鋼に鎚を振り下ろした。
家族で訪れた岡山市立三門小3年の男子児童(9)は「日本刀はかっこいいだけでなく、長い歴史もあるんだと感じた。鎚の重さも印象に残った」と笑顔。主催する「おさふね百錬会」代表で刀匠の安藤祐介(刀工名・広康)さん(38)は「理想の一振りを目指して今年も精進し、聖地にふさわしい働きをしたい」と話した。