香雪美術館は朝日新聞の創立者、村山龍平(1850–1933、号香雪)が集めた美術工芸品を収蔵し、昭和48(1973)年に開館しました。コレクションは武具・仏教美術から書画・茶道具に至る、日本・東洋古美術の各ジャンルを網羅しています。
村山龍平の美術品収集は、まず刀剣から始まりました。伊勢国田丸藩(現在の三重県度会郡玉城町)の藩士の家の出身で父守雄の影響もあり、青年時代には伊勢の刀匠を訪ね歩き、京都や大阪の刀剣鑑定会には必ず出席し、時には刀剣屋にも出向くほどでした。特に古刀を好み、当初の状態を留めた「その時代そのままのもの」を重視し、「地鉄」と「姿」にこだわったといわれます。
本展では、村山龍平コレクションの中より重文「太刀 銘正恒」(鎌倉時代)や、「太刀銘江州甘呂俊長」(南北朝時代)などの刀剣、甲冑の名品を、京都国立博物館所蔵の作品と併せてご紹介します。
香雪美術館
神戸市東灘区御影郡家2丁目12番1号
神戸市東灘区御影郡家2丁目12番1号