京都新聞 2018.6.14
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20180614000061
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20180614000061
鉄砲の産地だったことで知られる滋賀県長浜市国友町で、鉄砲を作る過程でできた鉄滓(てっさい=鉄くず)とみられる金属塊が多数見つかった。16、17両日に地元で住民らが展示する。
同町内では以前から各世帯の敷地で金属塊が見つかっており、地元の国友鉄砲の里資料館が呼びかけ、4月上旬から約2カ月間、住民らが収集にあたった。結果、町内約170世帯のうち91世帯から、直径約3~12センチの金属塊がトロ箱(縦約40センチ、横約50センチ、深さ約10センチ)で約30箱分集まった。
同資料館の吉田一郎館長(76)によると、生産の最盛期だった江戸時代初期には74人の鉄砲鍛冶師と500人超の職人がいたという。地元に伝わる古文書の絵図(江戸中期)に鉄砲鍛冶師の屋敷として記された場所から金属塊が多く見つかっており、吉田館長は「生産が盛んだったことを裏付ける鉄滓ではないか」と推測する。
金属塊については今後、専門家に調査や鑑定を依頼。同資料館での常設展示も検討する。吉田館長は「時代ごとに分類して展示し、鉄砲生産の研究に役立てられれば」と期待する。
金属塊は、16、17両日に地元の国友町会館で催す「国友の鉄滓と鍛冶道具展」で展示する。無料。同資料館0749(62)1250。