2016年2月11日(木) 10時30分~11時00分 NHK総合1・東京
http://blogs.yahoo.co.jp/nokugenihsda/36724547.html
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身近なテーマを3つのツボで観賞指南する新感覚美術番組。今回は「日本刀」。国宝級の名刀ズラリ、武将達が愛でた歴史的名品の物語まで。案内役:草刈正雄 語り:木村多江
【番組内容】
時代を超え、千年の歴史を持つ日本刀。刀の放つ光の深い味わいを堪能する。鎌倉期の名刀、正宗の表情豊かな光。そして刀剣界最高の正宗賞に輝いた刀匠・河内國平さんの刀作りに密着、光の秘密を探る。また信州真田家にゆかりのある幕末の名工、源清麿とその兄・真雄の物語や、刀の装飾に関わる杢目金(もくめがね)という江戸期の幻のスゴワザを紹介。さらには草刈さんが、大河ドラマ「真田丸」の衣裳で登場!何を語るのか?
河内國平刀匠
鎌倉時代の古刀を目指し作刀し続け50年、鎌倉時代のほとんどの刀に映りがある。
江戸以前の焼入れの方法はほとんどわかっていない。
映りをだす焼入れのヒントは意外なところにあった。
『本焼きの包丁をやってる人がいて、その人は年に一振りとか二振りしか刀つくらないんだけれども、その人の刀を見ると映りがでてるですよ。
と云うのは、本焼きの包丁てえのは普通の包丁と違って、無垢の鋼で刃文を焼くんですがね、絶対に切れることを中心にやってるから、割に素直にやってるっていうのかな。刃物を焼きを入れるって事について。
刀の場合は景色を出そうとするもんだから無理するんですよ。どっかで、要するに、使うことの目的からするとはずれるような事をやってる。』
無理をしない焼入れ、発想を変えると刀も変わっていきました。
『どこまでも使うために美しくなったんですよね。美しくしたから使いよくなったんではないですよ。使いやすさを求めたら美しくなったって事ですからね。』
池田刃物製作所
【追記】
産経WEST/2014.6.13
不可能とされた名刀の地紋再現に成功 奈良・吉野の刀匠、刀剣界最高賞を受賞
古代刀剣「七支刀(しちしとう)」(国宝)の復元を手がけた奈良県無形文化財保持者の刀匠、河内國平(くにひら)さん(72)=同県東吉野村=が、現代では不可能とされた鎌倉~室町時代の名刀が持つ地紋「映(うつ)り」の再現に成功、刀剣界最高の「正宗賞」を受賞した。専門家は「不可能とされた現代の材料で再現する技術を持つ唯一の刀匠だ」としている。
800年前の技…40年かけ研究
「映り」は、刀の強度を高めるための特殊な熱処理で発生する、鎌倉から室町時代の名刀にみられた地紋。江戸時代以降には絶え、現代の日本刀の材料「玉鋼(たまはがね)」では、再現不可能とされていた。
河内さんは、「正宗」や「一文字」など名刀を産出した鎌倉時代の古来の鍛冶作業にこだわり、約40年来の研究や経験を基に、「映り」の再現メカニズム解明に成功。ほぼ100%の確率で映しを再現できるようなったという。6月10日に開幕した日本美術刀剣保存協会主催の「新作名刀展」に長さ77センチの大刀「國平河内守國助(くにひらかわちのかみくにすけ)」を出品。「該当なし」が続いた正宗賞の太刀で、18年ぶりの受賞者となった。
河内さんはこれまで、伊勢神宮第61回式年遷宮で太刀と鉾(ほこ)を制作したほか、藤ノ木古墳出土の刀剣も復元。昭和62年、最高位の刀匠「無鑑査認定者」に認定された。
同協会の石井彰・学芸員は「驚くべき画期的な成果。現代の刀匠では、太刀に映りを再現させる技術を持つただ一人ではないか」と評価。河内さんは「刀鍛冶の鎚(つち)を振るようになって半世紀が過ぎようとしているが、ようやく約40年来の夢が実現した。さらに技術を磨き、正宗や一文字に負けない歴史に名を残す名刀を生み出したい」と話している。