2016年10月16日山形新聞
http://yamagata-np.jp/news/201610/16/kj_2016101600327.php
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山形市の伝統工芸の鋳物と打刃物を紹介する「たたら・ふいご祭り」が16日、同市の両所宮公園で開かれ、昔ながらの足踏みたたらの体験や鋳物作りの実演が披露された。
たたらは金属を溶かす炉の温度を上げるために風を送る装置で、子どもたちがシーソーのように動く板を踏み込むと、炉から勢いよく炎が吹き出していた。この日は青銅を約1250度まで熱し、山形銅町鋳物振興会(長谷川清会長)の職人が真っ赤に溶けた青銅を砂型に流し込んだ。打刃物職人は、箱型のふいごの取っ手を押し引きしながら炭に風を送って鋼(はがね)を熱し、刃物を鍛えていった。
山形鋳物は約900年、山形打刃物は約660年の歴史を持つという。打刃物職人の島田文夫さん(75)は「日常生活で刃物を使う機会は減ってきた一方、切れ味が格別の剪定(せんてい)ばさみや包丁など伝統技術への注目は高まっている」と話していた。