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平安後期の古伯耆 - 安綱作の可能性/春日大社の太刀

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奈良市春日野町の春日大社(花山院弘匡宮司)は22日、宝庫に伝わった太刀1振りが、平安時代後期(12世紀中~後期)の伯耆(ほうき)国(鳥取県)で作られた「古伯耆」と呼ばれる日本刀だったことが分かったと発表した。刃と峰の間にある山形の線「鎬(しのぎ)」や「反(そ)り」がついた日本刀では最古級。「天下五剣」に数えられた名刀「童子切」(国宝)で有名な刀工・安綱が作った可能性もあるという。30日から同大社国宝殿で展示される。3月26日まで。
 春日大社によると、太刀は昭和14年の宝庫解体修理時に天井裏で発見され、重要美術品の指定を受けた太刀5振のうちの1振り。昨年、刀身を研磨してさびを落として調査した。
 刀身は82・4センチと長く、反りの形状や刀剣の表面に表れる木目のような肌模様の「地鉄(じがね)」などの特徴から、平安時代後期ごろの日本刀の最初期に備前国(岡山県)などと並ぶ生産地だった伯耆国に作られたと推定される。
 銘がないために作者は分からないが、反りのない直刀からの過渡期の特徴を持つ刀身の古さや、熱した刀身を冷やすときにできる「刃文」の模様などから安綱の可能性もあるいう。安綱の代表作「童子切」は平安時代の武将源頼光が大江山(京都府)の鬼・酒呑童子を退治したときに用いたとの伝説が残る。
 また、柄や鞘(さや)などの刀装は「黒漆山金作」という中世の武士が常用に用いたもので、平安時代から続く武家が南北朝~室町時代初期に春日大社に奉納したとみられる。調査した東京国立博物館の酒井元樹主任研究員は「最初期の日本刀が製作当初の姿で伝えられており貴重。古伯耆は類例が少なく検討の余地はあるが、部分的には安綱の特徴を有している」としている。
○花山院弘匡宮司の話
 春日の宝物は「平安の正倉院」と言われ、本殿や宝庫に神様のお道具として1000年間残った「タイムカプセル」。当時、最高の物を持っていた人が納め、春日の神様へ強いご加護を願う気持ちが太刀に表れている。数多くの人にご覧いただいて、日本刀の歴史を考えてほしい。


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