加古川生かし物流で発展 江戸時代の小野を紹介 12月20日まで特別展
産経新聞 11月6日配信
剃刀鍛冶の系譜を記した古文書(左)と豪農の近藤亀蔵の屋敷を描いた墨絵の掛け軸=小野市西本町(写真:産経新聞)
江戸時代に農産物や金物の生産・流通で栄えた小野市の市場地区の歴史を紹介する特別展「江戸時代の産業経済の発達~小野市市場地区~」が同市西本町の市立好古館で開かれている。同地区が加古川の舟運(しゅううん)による物資の一大集積地として発展した様子を、42点の資料でたどることができる。
市場地区は同市の東南部の加古川流域に位置する。特別展では、商品経済の波が押し寄せた江戸時代の同地区の農業・産業構造に焦点を当てて、古文書や掛け軸、鍛冶道具などを展示している。
展示物のうち、同地区の豪農として知られ、後に播磨地域で最大の銀貸し(貸金業者)になったとされる近藤亀蔵の屋敷を描いた墨絵では、地区の年貢米を集めた亀蔵の蔵から近くの加古川の船着き場に米俵が運ばれる様子が描かれている。米俵は高砂港に集められた後、大坂に送られて売却され、同地区に現金収入をもたらしていた。
また、剃刀鍛冶の系譜の古文書は、江戸時代に剃刀鍛冶が地場産業として栄えた同地区の鍛冶職人が、全国を放浪していた鍛冶職人から技能の伝承を受けたことを示す証書で、免許皆伝の意味が込められているという。
12月20日まで。月曜休館(休日の場合は翌日休館)。午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)。入館料は高校生以上300円、小中学生100円。問い合わせは同館(電)0794・63・3390。
小野市立好古館
兵庫県小野市西本町477
兵庫県小野市西本町477