“刃物のまち堺”の実力と存在を広くアピールする「堺刃物まつり」が21日、堺市北区の同市産業振興センターで始まった。国の伝統工芸品に指定されている「堺打(さかいうち)刃物」の職人と名品が一堂に会し、多くの来場者を魅了した。22日まで。
並んだ包丁を選ぶ来場者=21日、堺市北区の産業振興センター
堺刃物商工業協同組合連合会などで構成される同実行委員会が主催し、今年で31回目。これまでの2月開催から、今年は初めて4月に開いた。
会場には、プロの料理人が使用する本格派から一般家庭向きまで約500種類、3千本以上の刃物が並び、来場者が熱心に吟味していた。また、職人による包丁とはさみの研ぎ直しコーナーも人気で長蛇の列。屋外では、古式鍛錬(火づくり)の実演があり、伝統の技に感嘆の声が上がっていた。
福井隆一郎実行委員長は「包丁は形だけはいつでもどこでも作れるが、鍛錬された堺刃物の切れ味はまねできない特長がある。包丁を道具として愛着を持って使えば、料理の味も違ってくる」と、刃物へのこだわりを話していた。大阪日日新聞 2018.4.22