テレビ朝日 【スーパーJチャンネル】 2018年5月26日放送回
世界が切れ味に注目!・日本の匠の技・和包丁
https://tvtopic.goo.ne.jp/program/ex/51/1166279/
世界が切れ味に注目!・日本の匠の技・和包丁
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海外人気! でも後継者不足・・・どうする?
大阪堺の職人の技に注目。ここ数年包丁の輸出額が伸びている。和包丁の秘密について調べた。
東京かっぱ橋道具街、外国人観光客のお目当ては日本製の包丁。フランスから来た寿司レストランの経営者は3本の和包丁を購入した。外国人を魅了する和包丁は魚を調理するのに優れている。両刃の洋包丁に対して和包丁は片刃だけで薄いのが特徴。切れ味の良さの秘密とは?
プロの料理人向けの和包丁で全国シェア約9割を誇る大阪府堺市。和包丁作りの第一人者を訪ねた。創業130年の池田鍛錬所の池田美和さん71歳。鍛冶歴49年。高卒後、一度会社員になったが鍛冶職人の道で腕を磨いてきた。和包丁は丈夫さと切れ味を両立させるため2種類の金属を使用する。まずは2つの素材をくっつける。炉の温度は1200度。炉の前は50度にも達する。池田さんは焼き色を見て炉から金属を出し素早く叩く。これを繰り返し基礎となる鉄板ができる。次は薄く伸ばす作業。温度管理が池田さんの極意。炉の温度を600~800度に保ち板を溶かしていく。僅かな焼き色の変化を見極めていく。温度が少しでも狂うと組織が荒くなり包丁の刃が割れてしまうという。厚さ5ミリほどに伸ばしたらその後、徐々に熱をとって荒く研いでいき包丁の原型がようやく完成する。
いい包丁を作るには、さらに匠の技が必要で刃を鋭く研ぐ刃付の工房に池田さんは訪れる。まず目の荒い砥石で刃の角度を決めながら厚みを調整する。そして刃の歪みをなくし、砥石の目を細かくしながら研ぎ進む。切れ味良くかつ輝くように磨いていく。最後に丁寧に研ぎ上げ包丁は完成する。あとは柄付け作業を行う。堺の包丁は一生モノと言われる。600年の伝統を誇る包丁でその評価は世界でも高い。
ある包丁はイスラエルやアメリカへ出荷される。イスラエルの人と取引するようになるとは思ってもいなかったと営業部長は語る。山脇刃物製作所の山脇良庸さんは7~8年前から急に伸びだしたと話す。売り上げの半分近くが海外だという。さらに現在、罪業界をあげて、海外のフードショーに出店。中でも注目を集めたのは1本100万円近い高級品。漆に鳳凰のまき絵が描かれた鞘から取り出すと富士山の模様が入った包丁が。池田さんが手がけた物である。今や堺の包丁は繊細な料理づくりに向いていると東南アジアなどへも拡大中。そんな中厳しい現実もある。堺ではこの40年で職人が4分の1に減っている。池田さんにも息子はいるが会社務めだという。後継者がいない現実は職人全体の悩み。しかし親方たちは職人の街復興へ動き出していた。
大阪府堺市の包丁業界は後継者不足に悩んでいる。3年前から職人希望者を募り親方に預ける制度を開始していて、現在7人の若者が修行中だ。その中の一人、奥上さんは大学院で地元の地場産業を研究するうちに、研究よりもモノづくりがしたいと思い卒業後に鍛冶の世界に入った。一方鍛冶職人の池田さんは作業の合間を見つけては若手にアドバイスをする。スタジオの山口は「日本が世界に誇る伝統技術を次の世代にうまくつないでいって欲しい。」となどコメントした。