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2019.1.24 神戸新聞NEXT
2019.1.24 神戸新聞NEXT
兵庫県朝来市和田山町玉置の元家具職人・中島正さん(73)が、職人時代の経験を生かして始めた包丁研ぎが好評だ。丁寧な仕事ぶりに、地元の料理人からの依頼も舞い込むという。(長谷部崇)
中島さんは料理や花など多彩な趣味を持ち、7年前まで鉄砲猟にも出ていた。2016年秋には、重さ約500グラムの特大マツタケを収穫したとして、神戸新聞但馬版に掲載された。
若い頃は大阪の家具会社に勤め、たんすなどを制作。昭和の上方芸能を代表する大スター、故ミヤコ蝶々さんの自宅で改装を手がけたこともあるという。職人時代、仕事道具のカンナやノミを日常的に研いでいた経験を生かし、昨年3月、「ぼけ防止に」と包丁研ぎの仕事を始めた。
“仕事場”は自宅の台所。最初に、目の粗いものと細かいもの、2種類の紙やすりで包丁の曇りや汚れを取り除く。「研ぐ前に“顔”をきれいにしとかな。ちょっとした心遣いやな」と中島さん。3種類の砥石を使い分け、時々刃を自分の肌に当てて切れ味を確かめながら丁寧に研いでいく。
評判は口コミで広まり、これまでに約100本を手がけたという。「何十年も研ぎ続けてきたのか、刃の幅が狭くなったものもあった。大切に使ってきたんでしょう。包丁を見れば、使い手のことも想像できて面白い」と話す。
中島さんの包丁研ぎは、朝来市和田山町玉置の直売所「めぐみの郷和田山店」で受け付けている。1本500円。同店TEL079・670・3077