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室町時代の戦乱期は質より量? 関市の刀匠、苦肉の量産

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岐阜新聞Web 9月3日配信

岐阜県工業技術研究所(関市)は2日、室町時代の関伝日本刀の内部構造に関する調査結果を発表した。室町時代初期に5流派の一つとして確立された刀だが、中期から後期にかけては緻密さが低く、「戦のため刀の需要が多かった時代で、刀匠が多くの受注をこなすための苦肉の策だったのでは」と考察している。
  研究所が、刃物のまち・関市の起源である日本刀の製造技術を探るため、関伝日本刀鍛錬技術保存会や関市教育委員会と共同調査した。
  文化庁から譲与された関市所有の関伝日本刀のうち、室町時代の前期、中期、後期~安土桃山時代の美術的に価値の低い3本を切断して内部構造や硬度を金属学的に調べた。日本刀は文化的価値が高いため、破壊調査は珍しいという。
  その結果、前期と後期の日本刀は、硬さの異なる板状の鉄を上下に重ねて製造する「捲(まく)り」、中期は1枚の鉄から製造する「無垢(むく)」という技法が用いられ、中期から後期にかけて作りが粗くなっていたという。
  保存会の井戸誠嗣会長は「技術と感覚を頼りに先人の職人たちがどうやって刀を作っていたか分かった」。同研究所の水谷予志生専門研究員は「調査結果が、関伝日本刀の作刀技術解明や伝承に貢献できれば。現在、非破壊で内部構造を評価する手法を研究中で、作刀技術の変遷が明らかになることが期待される」と話している。


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