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東源正久

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4代目「築地は築地」3代目口ぐせも継ぐ/築地物語
日刊スポーツ2016年9月15日


<歴史・ひと・風景 築地物語(56):マグロ包丁(3)>

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 マグロ包丁を開発した「東源正久(あずまみなもとのまさひさ)」は、大阪の本家を継げなかった次男坊の中村鐡次郎(てつじろう)が上京して関東に根を張った。2代目当主は番頭だった小川五郎左衛門。その息子の三夫が3代目となった。5年前に77歳でこの世を去っているが「包丁店のオヤジ」という顔だけではなく、築地を背負って立っていた。
 
 築地の王さまは、まさに「マグロ」である。日本で一番のマグロ、つまり世界一のマグロを扱う市場だ。その世界一をさばく包丁を製造し、メンテナンスするプライドは、同時に深い築地愛を培ってきた。
 
 三夫はつねづね「ウチだけが良けりゃいい、ってもんじゃない。築地は築地なんだよ」が、口ぐせだった。築地場外の波除稲荷神社の総代をつとめ、築地の個性派をたばねて、まとめあげた。屈託ない笑顔の似合う親分だった。
 
 三夫が亡くなって、娘の由香が4代目を継いだ。「次につなぐために年長のものが何を残してあげられるか」と話して「私も築地のおじさんらにはよくしかられて、泣かされた。でも、気持ちよくほめられて、育ててもらった」。そして最後に「築地はさ、築地なんだよ。豊洲に行こうが、何しようが、築地は築地なの」と三夫と同じ言葉をつぶやいた。(敬称略、この項終わり)【寺沢卓】

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