小松の男性 ネット販売好調…初の実店舗(2016.11.5中日新聞)
石川県小松市の故郷に戻って起業した中村充宏さん(36)のグローバル事業が好調だ。海外のシェフ向けに日本の職人が手作りした包丁をインターネットで、これまで1万本を販売した。7日には初めての実店舗を米国ポートランドに構え、地元の「山中塗」をおしゃれに施したコラボ包丁を売り出す。(嶋村光希子)
二年前に、九谷焼や漆器など北陸の伝統工芸品を販売するネットショップを設立したものの、売り上げは低迷。今度は和食ブームに加えて、切れ味の良さで、海外のシェフが日本の包丁に熱視線を注いでいることに目を付けた。
昨春から、岐阜県関市や福井県武生市などから包丁を仕入れ、包丁を収納するさやや柄に光沢をつけたオリジナル商品を販売し始めた。技は誇れるが、販売先が見つからない日本の職人と、日本の本物の包丁を手に入れたいが、気軽な購入先が分からない海外のシェフを結び付けた。
販売先は欧米やアジア、中近東など百五十カ国に上り、全体の99%が海外で、残り1%は日本に住む外国人。スペインでミシュランの三つ星レストランを抱える有名シェフが、料理番組で紹介したことも人気に火を付けた。売れ筋は一万~二万円の商品だが、十五万円の高級品も売れる。
英国の高校と大学を卒業後、小松の企業でシステムエンジニアとして三年間勤務。その後、ハワイの雑貨を売る現地企業で四年間働いた。独立しようと考えた時、「日本が嫌いで出て行ったものの、やはり故郷に貢献したい」とUターン創業を決意。会社も「世界へ」と名付けた。
米国の店で山中塗を施した包丁を売るのは「地元の良いものを海外に広めたい」との思いがあるから。使い方や研ぎ方を教える教室や、日本食の魅力を伝える「和食ナイト」も催す。
ホームページでは、職人の顔写真も紹介。商品を発送する際には、手書きの手紙や折り鶴を添えている。今後は、加賀象嵌(ぞうがん)や加賀蒔絵(まきえ)とのコラボ商品も考えている。中村さんは「江戸時代、むらの鍛冶屋はお客さんの顔を見てニーズに合った包丁を作っていた。この店でも、そんな顔の見える取引を大切にしたい」と話している。
二年前に、九谷焼や漆器など北陸の伝統工芸品を販売するネットショップを設立したものの、売り上げは低迷。今度は和食ブームに加えて、切れ味の良さで、海外のシェフが日本の包丁に熱視線を注いでいることに目を付けた。
昨春から、岐阜県関市や福井県武生市などから包丁を仕入れ、包丁を収納するさやや柄に光沢をつけたオリジナル商品を販売し始めた。技は誇れるが、販売先が見つからない日本の職人と、日本の本物の包丁を手に入れたいが、気軽な購入先が分からない海外のシェフを結び付けた。
販売先は欧米やアジア、中近東など百五十カ国に上り、全体の99%が海外で、残り1%は日本に住む外国人。スペインでミシュランの三つ星レストランを抱える有名シェフが、料理番組で紹介したことも人気に火を付けた。売れ筋は一万~二万円の商品だが、十五万円の高級品も売れる。
英国の高校と大学を卒業後、小松の企業でシステムエンジニアとして三年間勤務。その後、ハワイの雑貨を売る現地企業で四年間働いた。独立しようと考えた時、「日本が嫌いで出て行ったものの、やはり故郷に貢献したい」とUターン創業を決意。会社も「世界へ」と名付けた。
米国の店で山中塗を施した包丁を売るのは「地元の良いものを海外に広めたい」との思いがあるから。使い方や研ぎ方を教える教室や、日本食の魅力を伝える「和食ナイト」も催す。
ホームページでは、職人の顔写真も紹介。商品を発送する際には、手書きの手紙や折り鶴を添えている。今後は、加賀象嵌(ぞうがん)や加賀蒔絵(まきえ)とのコラボ商品も考えている。中村さんは「江戸時代、むらの鍛冶屋はお客さんの顔を見てニーズに合った包丁を作っていた。この店でも、そんな顔の見える取引を大切にしたい」と話している。