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「堺打刃物」10~30代の8人職人デビュー

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鍛冶と研ぎの伝統継承 「堺打刃物」10~30代の8人職人デビュー

  多くの料理人が愛用する包丁で知られる堺市の伝統産業「堺打刃物」を扱う5つの事業所で昨年10月、10~30代の8人が刃物職人として一歩を踏み出した。業界団体が開いた「職人養成道場」で1年間、製造の基礎を習得して就職。後継者として期待がかかる。
 包丁の角度を、手や木製のてこで調整しながら車輪のように回る円砥にあて、研ぐ-。伝統工芸士を目指していた木村達登さん(19)は新聞で道場受講者の募集を知り応募。「自分が研いで仕上げた物が料理人の手に渡るのが魅力。料理を食べる客も喜ばせたい」と、研ぎ職人の道を選んだ。
 就職先は、後継ぎの子供がいない堺市堺区の3代目味岡知行さん(73)の製作所。味岡さんは「自分は親代わり。先人の技術を引き継ぎたい」と、円砥に押しつけた刃物が揺れないよう手首や腕を鍛えることを教えた。木村さんは「腕、ちょっと太くなったんです」とはにかむ。
 養成道場は市産業振興センターと堺刃物商工業協同組合連合会が平成27年10月に開設した。鉄をたたいて延ばす鍛冶と研ぎの2コースに分かれ、最初の半年は週に数回、座学や各事業所で技術訓練。28年3月、双方が就職先と雇用者を希望し合うマッチングを経て13人中8人が選ばれた。
 8人は同4月以降、就職予定先の工房で実技研修を受けたが、この間はセンターが月10万円の奨励金を支給。取り組みを知り、土佐打刃物の産地・高知県香美市からも職人らが視察に訪れた。
 今春に龍谷大大学院を修了予定の奥上祐介さん(25)は、伝統産業に関する研究を重ねるうちに職人への憧れが強まり、鍛冶の世界へ飛び込もうと決意。京都市伏見区から堺市堺区へ転居し、道場を経て堺区の田中打刃物製作所に就職した。
 「打刃物で切るとうま味が全然違う。大根を薄く切ると、水分は逃げず、透き通る。和食を支える技術を消してはいけない」と同製作所の4代目、田中義一さん(66)。若手の受け入れには負担もあるが、多くの職人が後に続くことを願っている。
産経ニュース(2017.1.12配信)

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