時事通信 11月20日配信
兵庫県姫路市の日本工藝美術館で、「日本の謎 刀」と銘打ち、近畿地方で活動する若手刀工らによる現代日本刀の展示が12月23日まで行われている。
参加する刀工らは、全日本刀匠会近畿地方支部の21人。出展作品は、やり1振りの他、太刀と刀9振り、脇指(わきざし)2振り、短刀14振りの計26の刀剣など。
展示タイトルにある「日本の謎」の意味に関して、刀工の高見國一氏(42)は「明治時代の廃刀令と戦後の銃砲等所持禁止令などの影響もあり、国内では過去に廃業した刀工も多い。それでも今日につながっていることでは謎の部分がある」と話す。
刀剣は、古来より砂鉄をたたら吹きと呼ばれる製法で得た玉鋼を材料に製作されるが、技術の伝承が難しいという。
日本工藝美術館は、保護が必要な工芸作品の展示と若手後継者らへの文化伝統の継承を目的とした展示を重視しており、同館学芸員の森吉真美氏は今回の展示について「刀剣自体、生活する上で必要なものではないが、現在でも刀剣を打つ刀匠が活動していることを広く一般の方に知ってもらい、身近に感じてもらうことで失われてはいけない日本の文化を見つめ直し、気付いてほしい」と話した。
兵庫県姫路市の日本工藝美術館で、「日本の謎 刀」と銘打ち、近畿地方で活動する若手刀工らによる現代日本刀の展示が12月23日まで行われている。写真は製作した日本刀を展示する、刀工の高見國一氏。